
セイロンティーて、たまに聞くけどどんな紅茶なの?

実はセイロンティーは種類が色々あるんだよ!産地によって魅力や特徴が違うんだ

今回はセイロンティーの種類と、楽しみ方を紹介するよ!
セイロンティーは、スリランカ(旧セイロン島)で生産される高品質な紅茶として世界中で愛されています。
その多様な種類と風味の違いが魅力のひとつ。
ここでは、セイロンティーの主な種類と、楽しみ方についてご紹介します。
1867年、スコットランド人のジェームズ・テイラーによってセイロン島(現在のスリランカ)に初めて茶葉が植えられました。
それまではコーヒー栽培が主流でしたが、コーヒーさび病の蔓延により茶葉栽培へと転換。
19世紀末には輸出産業として急成長し、世界的なブランドへと発展しました。
現在はスリランカ経済を支える主要産業となっています。
セイロンティーは、栽培される地域(標高)によって風味が大きく異なります。
スリランカの茶葉生産地は主に7つの主要地域に分けられ、それぞれが独自の特徴を持っています。
今回はその中から5つの地域を紹介します。
- 標高: 1,800m以上
- 特徴: スリランカ最高峰の高地で栽培される最高級品
- 風味: デリケートで繊細な香り、爽やかな柑橘系の風味と軽やかな味わい
- 色合い: 明るい黄金色
- 別名: 「セイロンティーのシャンパン」とも呼ばれる
- 収穫期: 1~2月、6~7月
ヌワラエリヤ – セイロンティーの最高峰
ヌワラエリヤは、スリランカの標高1,800メートル以上の高地で栽培される、セイロンティーの中でも最高級品として知られています。
その高い品質から「セイロンティーのシャンパン」という別名で呼ばれることもあるこの紅茶は、デリケートで繊細な香りが特徴です。
風味は爽やかな柑橘系を感じ、軽やかな味わいが口の中に広がります。
湯呑みに注がれた時の色合いは、美しい明るい黄金色を呈し、その見た目からも高級感が伝わってきます。
- 標高: 1,000〜1,600m
- 特徴: 世界的に最も有名なセイロン産地の一つ
- 風味: 独特のメントール香と甘い蜂蜜のような余韻、濃厚でありながらも爽やかさを併せ持つ
- 色合い: 深い琥珀色
- 特筆点: 7月から9月に収穫される茶葉が特に高品質
ウバ – メントールの香る高級茶葉
ウバは標高1,000〜1,600メートルに位置し、世界的に最も名高いセイロン紅茶の産地の一つとして知られています。
この地域で生産される紅茶の最大の特徴は、独特のメントール香と甘い蜂蜜のような風味がします。
風味としては、濃厚な味わいでありながらもスーッとした爽やかさという相反する風味を持っており、魅力のひとつです。
特に7月から9月にかけての「ウバシーズン」に収穫された茶葉は特に高品質とされ、この時期のウバティーはとてもおすすめ。
独特の風味プロファイルは、ウバ地域特有の気候条件と茶葉栽培の伝統的技法によって生み出されています。
個人的にはアイスティーにするとメントールのような風味とキリッとした苦味が効いて、夏はウバ!と決めていたりしています。
- 標高: 1,100〜1,600m
- 特徴: 雨季と乾季の影響を受けて複雑な風味を形成
- 風味: バランスの取れた味わいと花のような香り、適度な渋みとコク
- 色合い: 明るい銅色
- 収穫期: 1月から3月の乾季が最高品質
ディンブラ – バランスの取れた風味の紅茶
ディンブラ地域は標高1,100〜1,600メートルに位置し、雨季と乾季の明確な季節変化が茶葉に複雑な風味をもたらします。
このエリアで生産される紅茶は、バランスの取れた味わいと花のような繊細な香りが魅力で、適度な渋みとコクを感じられます。
カップに注げば明るい銅色の美しい色合いが現れ、目でも楽しませてくれます。
特に1月から3月の乾季に収穫された茶葉は最高品質とされ、この時期のディンブラティーは、セイロン紅茶の中でも特に優れた風味バランスを持つとして評価されています。
ディンブラの茶葉はその風味からそのままでも楽しめますが、ブレンドティーのベースとしてもおすすめ。コーヒーでいうブラジルのようなものでしょうか。
多くの世界的に有名な紅茶ブレンドに使用されています。
- 標高: 600〜1,300m
- 特徴: スリランカ最初の茶園が開かれた歴史的な地域
- 風味: 力強い風味と深いコク、しっかりとした渋みと甘みのバランス
- 色合い: 深い赤褐色
- 特筆点: ミルクティーに最適とされる
キャンディ – 歴史を刻む茶葉の原点
キャンディは標高600〜1,300メートルに位置し、スリランカの紅茶産業の発祥地として歴史的な重要性を持つ地域です。
この地で最初の茶園が開かれたことから、セイロンティーの原点とも言える産地です。
キャンディ産の紅茶は力強い風味と深いコクが特徴で、しっかりとした渋みと微妙な甘みのバランスが絶妙です。
カップに注げば深い赤褐色の液色を呈し、その見た目からも風味の力強さを感じ取ることができます。
キャンディ産の茶葉はミルクティーにぴったり。その力強い風味はミルクを加えても失われず、むしろミルクとの相性が良く、まろやかで深みのある伝統的なミルクティーを楽しむことができます。
- 標高: 600m以下の低地
- 特徴: 南部の低地で栽培される力強い茶葉
- 風味: 濃厚でロバストな味わい、強い香りと力強いコク
- 色合い: 非常に濃い赤褐色
- 特徴: ブレンドティーのベースによく使用される
ルフナ – 低地が育む力強い風味
ルフナは、標高600メートル以下のスリランカ南部の低地で栽培される茶葉です。
低地特有の温暖な気候と豊かな土壌が、非常に力強い特性を持つ茶葉を生み出します。
濃厚な味わいと強い香り、そして力強いコクがルフナティーの特徴です。
カップに注いだ時の色合いは非常に濃い赤褐色で、その深い色合いからも風味の強さが伝わってきますよ。
ルフナ産の茶葉はその力強い特性から、多くの有名なブレンドティーのベースとして使用されています。
そのままで楽しむ場合は、その濃厚さと力強さを存分に味わえますが、特にミルクや砂糖を加えて楽しむ英国式の朝食用紅茶としても相性がいいですね。

セイロンティーの魅力は、その多様な楽しみ方にもあるよ!

産地によって異なる個性を活かしたさまざまな飲み方を紹介するね
まずはきほんの淹れ方から、シンプルな楽しみ方をご紹介。
- 水温: 95~100℃の熱湯を使用
- 茶葉の量: カップ1杯(200ml)あたり2~3g(ティースプーン1杯程度)
- 抽出時間: 3~5分(好みの濃さに応じて調整)
- ポイント:
- 陶器のティーポットを使うと熱が安定し、風味を引き出しやすい♪
- 急須で淹れる場合は、最初に熱湯でティーポットを温めておくと良いですよ!
- 茶葉が十分に開くスペースのあるティーポットを選びましょう
ストレートでも、レモンを入れても、ミルクでも。
セイロンティーは楽しみ方が無限大です。
1. ストレートティー
- 最適な茶葉: ヌワラエリヤ、ウバ、ディンブラ
- 楽しみ方: 茶葉本来の風味と香りを楽しむ最も純粋な飲み方
- ポイント:
- 薄めのカップで飲むと香りを楽しみやすい♪
- 少量のハチミツを加えると風味が引き立ちます
2. レモンティー
- 最適な茶葉: ディンブラ、ウバ
- 楽しみ方: 紅茶にレモンスライスまたはレモン汁を加える
- ポイント:
- レモンの酸味でティーの風味が明るくなり、ビタミンCも摂取できます
- レモンの量は少量から始めて、好みの酸味に調整しましょう
- 冷やしても温かいままでも美味しい!
3. ミルクティー
- 最適な茶葉: キャンディ、ルフナ
- 楽しみ方: 紅茶に温めた牛乳を加える
- ポイント:
- 低地産の力強い風味の茶葉がミルクとよく合います
- 紅茶を濃いめに淹れ、約20%のミルクを加えるのが基本!
- 砂糖やはちみつを加えると、まろやかな味わいになりますよ
ちょっと変わった飲み方も楽しみのひとつ。
ぜひやってみてください。
1. スパイスティー(マサラチャイ風)
- 材料:
- セイロンティー(キャンディまたはルフナ)3g
- シナモンスティック 1本
- カルダモン 2〜3粒
- クローブ 2〜3個
- 生姜(薄切り) 1かけ
- 牛乳 100ml
- 水 100ml
- 砂糖または蜂蜜 適量
- 作り方:
- 鍋に水とスパイスを入れて沸騰させ、5分ほど煮出す
- 茶葉を加えて2〜3分煮出す
- 牛乳を加えて再び沸騰させる
- 茶こしでこして、砂糖または蜂蜜で甘さを調整する
2. アイスセイロンティー
- 最適な茶葉: ディンブラ、ウバ
- 作り方:
- 通常の2倍の濃さで紅茶を淹れる(カップ1杯に茶葉4〜5g)
- 熱いうちに砂糖かハチミツで甘さを調整する
- 常温まで冷ましてから冷蔵庫で冷やす
- グラスに氷を入れ、冷やした紅茶を注ぐ
- レモンスライスやミントの葉を添える
- バリエーション:
- フルーツジュース(オレンジ、パイナップル)を加える
- ミントの葉を加えて爽やかさをプラス
ミントはフレッシュがおすすめです。爽やかでみずみずしい風味を楽しめますよ。
ジュースを加えれば、甘酸っぱいフルーティーでジューシーなドリンクに大変身!
ちょっとしたスイーツ気分を味わえます♪

この5つを意識すると、セイロンティーがもっと美味しくなるよ!
- 新鮮さを保つ: 茶葉は光、熱、湿気、強い香りから守るために密閉容器に保存します
- 水質に注意: 軟水か中程度の硬度の水がおすすめ(硬水は風味を損ないます)
- 器にもこだわる:
- 香りを楽しむなら口が広がった薄手のカップ
- 温かさを保つなら厚手の陶器のマグカップ
- 見た目を楽しむならガラスのカップ
- 淹れ方を変える: 同じ茶葉でも水温や抽出時間を変えると異なる風味が楽しめます
- 冷蔵庫に保存しない: 茶葉は吸湿性があるため、冷蔵庫での保存は避けましょう

ウバにディンブラに…いろんなセイロンティーを飲んでみたくなったよ!

飲み比べをしてみても楽しいかもね!ぜひ飲んでみてね!
世界三大紅茶の一つとして名高いセイロンティーは、いろいろな種類と楽しみ方で私たちの日常に彩りを与えてくれます。
産地による風味の違いを感じ、様々なアレンジを試せるのも楽しみのひとつ。
いろいろ挑戦することで、セイロンティーの奥深い魅力をより一層味わうことができるではずです。
一杯のセイロンティーに込められた歴史と文化を感じながら、ティータイムををお楽しみください♪